原価企画の歴史っぽいもの(日本発祥?)

はじめに

原価企画は日本が発祥、という旨の記述を見かけたので、調べたことをメモしておく。

原価計算の歴史っぽいもの

日本発祥であるとする記述は、原価計算の本を読んでいるときに見かけた 「原価企画は、トヨタ自動車が1960年代から独自に開発した戦略的利益管理・原価計算方式で、・・・」 である。ただし、文献等の引用はなく、原典を参照することができなかった。

岡村清 著「原価計算」p.857

原価計算【六訂版】・岡本清(国元書房の本・書籍)

そこで、ググってみたところ、 トヨタ自動車のホームページにも原価企画のついての記述があり、確かに1960年代からすでに始めていたことが分かった。原価企画の簡潔な説明になっている。

『新製品の開発では、お客様に「より良いクルマをより安く」提供するために、製品企画の段階から予算を決め、その予算内で新製品を開発していく。そのための諸活動が原価企画である。』

トヨタ企業サイト|トヨタ自動車75年史|研究開発支援|原価企画・質量企画・部品標準化

トヨタ自動車については、さらに遡ること1937年(昭和12年)、既に原価企画を着想しているとの記載を見つけることができた。

トヨタ自動車工業の設立と挙母工場の建設は昭和十二年三月、豊田自動織機の役員会の席で決まった。喜一郎は、「原価計算と今後の予想」という論文を書いて、役員会にはかった』 豊田英二 著「決断」p.80

日経BOOKプラス

少なくとも、1937年には原価企画が始まっていたと言える。