調整のし過ぎは良くないかも、という話~ハンチング現象~

はじめに

(製造工程などで)目標値になるように製造条件の調整をすると、かえってばらつきが増えてしまうことがある。 この現象をEXCELでシミュレーションする。

EXCELでのシミュレーション手順

以下に、EXCELでの作成手順を示す。

0. 目標値は「0」でこれを中心に「±1」ばらつくとする。

1. 測定結果をランダムデータとして作成する。

式は「=RAND()*2-1」

2. 目標値との差分から、補正値を決める。

3. 調整した結果の列を作成する

EXCELの表

グラフを以下に示す。

目標値になるように次は調整するグラフ

これを100回繰り返す。

結果

以下に100回繰り返した結果のグラフを示す。

調整の結果
グラフから、調整後のほうがばらつきが増えていることが分かる。 標準偏差で見ると、0.594から0.89へと約1.5倍になっている。これは{\sqrt{2}\sim 1.41}と同じ程度の値である。

この現象は、ランダムなデータに対して、別のランダムなデータを足しているので、分散の加法性が成立していると解釈できる。

参考文献

品質工学の本で見たはずの話。